CANDY-LAND

やっぱり馬が好き

2017年9月21日/ジョンマスターオーガニック回収事件に見る、日本におけるオーガニック市場の闇 ②

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 ジョンマスの大規模回収事件についてはこちらをご覧下さい
 http://milk-candy-land.hatenablog.jp/entry/2017/10/02/184617

 概要 “john masters organics リコール”
 http://www.info.pmda.go.jp/rgo/MainServlet?recallno=2-7633


 今日は、日本のオーガニックコスメ市場の闇について。
ド素人なりに消費者目線で綴ってみました。専門家でなくとも、自分が困らないくらいには勉強できる~(•v•)۶


 「オーガニック化粧品とは?」
この質問に対して明確な答えを述べられる方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか。私には定義することができません。
なぜって、オーガニックとはそもそも、ケミカルな肥料や農薬を使わない有機栽培のことで、それ以上でもそれ以下でもないからですฅ(• - •)ฅ
そしてそれは、あくまで一部の食品について限定的に言及されたものであって、美容・化粧品に関わる文言というものは一切存在しません。
ただのひとつも、です。
つまり現在、日本において“オーガニック化粧品”と名乗るための条件は、まさかの『なし』!!!

「え?じゃあ自然派コスメっていったいなんなの?そこらじゅうにありふれてるけど…」
そう、オーガニックコスメの正体は“基本的に植物性を名乗る、わけの分からない化粧品っぽいモノ”なんです。
もちろん、すべてがそうだとは言いませんが、現状を見るにつけ…ほとんどがそうですよ、と言っても過言ではないと思う。
有機栽培のミントエキスを数滴落とした水に、ケミカルな保存料を入れたら“オーガニックミントのひんやりローション”として販売できちゃうんだもの。
濃く煎れたミントティー+防腐剤となにが違うの?と突っ込みたくなりますよね。でも、日本のナチュラル系コスメってその程度でOKなんです。


 日本に流通しているオリーブオイルや蜂蜜は、90%が偽物である、という話を耳にしたことはありませんか?
混ぜものをしても表示する義務がない。偽装していても取り締まる規制がない。あれとほぼ同じ状況です。
けれど、消費者が追える情報なんて限られている。さらに、その限られた情報でさえ追いかける消費者は少数派。
法律がない=いくら酷いことをしても、そこに悪意があったとしても、違法じゃないもん☆というわけฅ(• - •)ฅ

今回のジョンマスはまさにこれですよね。
「シリコンなんて大したことないし、リピ買いするくらい良かったんでしょ。なら良いじゃん。健康被害は出ないから大丈夫だよ。
私たちは別に、これを使えと強制したことなんて一度もないじゃない。あなたたちが自分で選んで、勝手に絶賛してただけでしょ?」みたいな。
「良くないよ!ノンシリコンなのにパサつかないところが気に入って買っていたのだから!」と主張できる方はきっと少数派。
結局、おしゃれな有名人が使っていたとか、フォトジェニックでインスタ映えするだとか、本質的でないことのほうが重視されがち。
「面倒なことは分かんない。でもそれでいいよね。みんなそうだし」「熱くなる人は時代遅れ。恥ずかしい」なんて印象操作されている感すらある。
だから余計に、悪徳業者の温床になってしまっている。訝しい健康食品といっしょねฅ(• - •)ฅ
私は日本のオーガニック・無添加化粧品を「なーんにも入っていなくても成り立つ、まさに水商売というやつ」だと考えています。

リンク先はいつもお世話になっている材料販売店、オレンジフラワーさん。手作りコスメ界の老舗です。
オーガニックのアロエベラジュースの素って、こんなお値段だよ。素材の価格を知ることって、結構大切だと思うよ。
http://www.orangeflower.jp/soap/shop/other4/345.html
http://www.orangeflower.jp/soap/shop/other4/index.html


 ここでいくつかの極端な例を。

 ①オーガニックの蜂蜜があります。少量を瓶に入れ、精製水で満たします。よく振ります。
  はい、無添加&オーガニックハニーローションの出来上がりです。保存料は入っていません。全身に使えます。グリセリンフリーだから肌質も選びません。
  冷蔵庫へ入れれば3日くらい持ちます。3日ごとに蜂蜜水を作れば良いだけですから、いつだって抜群にフレッシュな状態です。口に入っても安全です。
  蜂蜜はとても身近なスーパーフード。高い栄養価・殺菌効果・保湿効果をすべて持ち併せているため、スキンケアにぴったりな素材です。

 ②例えば、このせっけん。私の手作りです。
  わりとホンモノのオーガニック材料だけでできており、使用感も洗い上がりの肌も最高です。レシピをどうぞ。
  http://milk-candy-land.hatenablog.jp/entry/2016/11/29/093912

さて、仮にこれらが商品化されたとしたら、いくらで買いますか?
いくら中身が素晴らしいといったって、お世辞にも数千円出したいと感じられるような内容ではなく、おしゃれな雰囲気もありませんよね。
間違いなく「なんかよく分かんないけどおしゃれで、なんかよく分かんないけど良さげなコスメ」のほうが支持されるでしょう。
オーガニック・有機栽培・無添加化粧品。言うなれば、これらはすべてフリー素材。
アルコールやケミカルな界面活性剤は、ちょっと長い横文字にしていればほとんどの人にバレることもない。
だから、オーガニックは儲かるんです。なんかよく分かんなくても誰も気にしないし、それっぽければ良いのですฅ(• - •)ฅ


 もうひとつの大きな問題は「オーガニック化粧品は肌に優しいっぽい」という誤解。
植物由来の天然成分って、要はアレルゲンですよ。敏感肌・アレルギー体質・アトピー性皮膚炎の方はまず避けるべきです。
植物由来=品質が安定しない、量によっては十分にアレルギーの原因となりうる、ということ。
無自覚なアレルギー体質の人は、オーガニックコスメが引き金となって様々な症状に悩まされるようになるかもしれない。
 市販のものには「全体で○%の植物由来成分を配合しています」というような“全量に対しての植物系成分の配合量”が記載されていませんよね。
アロマテラピー業界ですら、安全性を考慮して上限値を明確にしている植物系成分。ここが不明瞭であることは、すごーく疑問に思っています。
仮に企業秘密とまで言える技術があるなら、なおさら、全量のうち○%が植物由来だよ!くらい表に出しても差し支えない気がしませんか。
 おまけのはなし。有機栽培=無農薬栽培ではありません。
化学肥料を使っていなければ有機栽培。オーガニックと無農薬は、また別の話です。

ナチュラル=良い、ではないよ。肌が強くない人にとっては、ケミカルのほうが遥かに安全、という場合があるのです。


 今一度、自分の肌に興味を持ってみませんか。
気になるところを見つめ直した上で「オーガニックにこだわる必要、ある?」と考えてみませんか。
日本人よ、もっと横文字を疑おう!笑


まとめ
 ジョンマス消費者をバカにしている“自称コスメ通”は忘れることなかれ。一般消費者については前述
 http://milk-candy-land.hatenablog.jp/entry/2017/10/02/184617
通りだし、その行為はビューティモデル界のドン・鈴木えみ様をもバカにしていることになるぞ。
えみちぃは妊娠中、すべてがオーガニック処方であると信じて(!)ジョンマスターオーガニック 無香料シリーズの
ヘアケア&ボディケア製品を愛用しており、妊娠さんへのおすすめアイテムとして、自著に写真つきで4商品も紹介していたのです。
(s'eee vol.5 mama&baby / page.26参照。えみちぃは美容モデルきってのコスメおたくとして有名です。巻末にはスタイラのクレジットあり)


 どうか、忘れないでください。
化粧品なんて所詮『効果には個人差があります、という魔法の呪文』でどうにでもなるということ。
本当に化粧品だけで解決できるのなら、美容皮膚科も美容整形も必要ないよね。
既製品できちんとしたオーガニック製品が欲しいなら、ある程度成分について勉強したあと、ヨーロッパのブランドから選ぶといいと思います。

いつになるか分からないけれど、せっかくだから、自作コスメや無添加、シリコン云々についても書きたいな。
いつかお時間あるときにでも、ぜひ遊びにいらしてください(*´・v・`)


ではまたね~(*´・v・`)

 

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