妖精が旅立つ日
フィギュアスケート・女子シングル選手の浅田真央さんが、現役を引退されましたね。
ひとつの歴史に幕が下りた夜です。
やっと、真央ちゃんらしくスケートに関わりながら、遊ぶことも食べることも楽しんで、人百倍幸せになる時が来たんだな。
そんな風に考えています。
私はそもそもフィギュアスケートに興味がなく、バレエのついでに時折ロシアンズを眺める程度の人間でした。
それらを全て覆し、夢中にさせてくれたのが浅田真央さんです。
タチアナ・タラソワとのコンビネーションはまさに芸術。すべてがドラマティックで、物語の密度が段違いなんですよね。
超絶技巧と呼ぶに相応しい圧巻のプログラムは、いつ見ても、何度見ても、とにかく素晴らしいの一言です。
その他ではノクターン、月の光、愛の夢が好き。どれも世界が淡く優しく煌めいて、ここではないどこかへと誘ってくれるよう。
と言いつつも、ローリー作品で一番を挙げるなら迷いなくチェロ・スイートですね。初見の衝撃は生涯忘れられないでしょう。
バッハの無伴奏、しかも原曲!次にこの曲をこのレベルで表現出来るスケーターが出てくるのは…いや、出るの?そのくらい鮮烈だと思います。
真央ちゃんが笑えばそれだけで嬉しかったし、涙を流している時はただただ心が痛みました。
彼女の生き様は、どれだけ多くの人を救ってきたことか。
改めて、なんと気高い女性だろうと頭が下がります。
たくさんの幸せと、たくさんの勇気をありがとう。
あなたの幸せを心から祈ります。今までも、これからも、ずっと。
みなさんの未来が、笑顔あふれる晴れやかな日々でありますように。